身近な死|プロポーズ

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Arime Death Story

周りの友達が結婚していき正直私もそろそろ・・・なんてちょっと焦り始めている。

私には7年も付き合っていた彼がいた。

実は以前その彼にプロポーズをされたのだけど、その後些細な事でけんかをして別れてしまったのだ。それから友達に紹介してもらったり出会いはそこそこあったのだけど、お付き合いするまでには至らなかった。それというのも、やっぱり前の彼氏と比べてしまっていたから。

ある日、スマホからラインメッセージの着信音がして何気なく見てみると、なんと前彼からだった!

「久しぶりだね!元気?」
「うん、元気だよ。どうしたの?」

そんな他愛もないやり取りがしばらく続いた。ただの暇つぶしだったのかな?

「もう彼氏できちゃった?」
「え?出来てないよぉ」
「良かった。実はさ、もう一度プロポーズしたくて。もし受けてもらえるのならあの日のレストランに来てもらえるかな。待っているから」

本当は飛び上がるほどうれしかったのだけど、なんだか気恥ずかしくて

「考えておくね」

なんて返事してしまった。

 

約束の日。母は笑顔で

「あら、おしゃれしてデート?」
「うん、ちょとね・・行ってきます!」
「車に気を付けてね!」
「はーい!」

母は彼のことをとても気に入っていて、別れた時は本当に残念がっていたのだ。帰宅後には嬉しい報告が出来そう。

私は新しい真っ白なワンピースを着て思い出のレストランへと向かっていた。

大切な日なのに、こんな時にかぎって電車が遅れてしまって遅刻しそう!もし遅れていったら彼断られたと思って帰っちゃうかも。信号すら長く感じる。

車が来る様子もないし、私は赤信号で横断歩道を渡った。

 

その時、すごいスピードで車が・・・私の白いワンピースが赤く染まっていく・・・

 

私は交通事故で命を落としてしまった。

 

彼はまだあのレストランで待っているのかな・・・

ごめんね、本当はそこに行きたかったの。すごく嬉しかったの。

 

お母さん、ごめんなさい・・・
 
 
 
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